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ローレライ何某

Author:ローレライ何某
ローレライ何某と申します。
究極のオナニーを求め、日々自慰に耽っています。
オナニーに関して一切妥協はしません。

プレイスタイルは環境利用オナニー法です。
身近にある道具から食物まで全て利用して
快楽(キワミ)へ辿り着くことがモットーです。

ぜひ自分のオナニー方法が世界中の
スタンダードスタイルになればと思っています。
そしていつかは独自のやり方を
「オナニカルメソッド」として発信できればと思っています。

日々のオナニーやエロスに纏わる
日記を綴っていきます。

2021年よりフランス書院様にて伏見京名義で
官能小説を執筆しております。

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オナニカルメソッド
スタイリッシュなオナニーの追究
催眠オナニー【後編】
〜前回のあらすじ〜

眠れない夜に何某はASMRの催眠オナニー動画を聴いてみた。
すると物の見事に10分で催眠にかかる。
身体の変化に恐怖を感じながらも、何某はさらに深い催眠へとかかっていく。


緊張でうっすら汗をかいていました。全身に薄い膜が張られた感覚で妙に暑いのです。
すると、あのアニメ口調が聞こえてきました。
「もうあなたは私の命令でしか動けません。右腕をあげてみてください」
そんなまさかと右腕に力を込めます。

動かないんです。本当に。右腕を上げる意思はあるのですが、身体が全く反応しないのです。
まるで脳と身体が断絶されたようでした。
こうなっては時既に遅し。動かない指では動画を止められません。音声は続きます。
「動かないでしょ。あなたは私のいいなり。じゃあ女の子がどうやってイクのか知りたい?」
何某は「や、やめろぅ!」
と、ショッカーに改造される仮面ライダーのような気持ちでベッドに張り付いたままです。
すると女性はくすくす笑いながら命令してきました。
肛門と玉袋の裏に力を込めなさいと。
そんな恥ずかしい命令にも、何某の肛門は安々と反応してしまいます。
なぜなら日頃からオナニーライフを楽しむためにPC筋を鍛えることに余念がないからです。
要領良く臀部に力を込めたので、きっと音声の女性も飲み込みの早さに驚いたでしょう。
「だんだん腰の奥の方が熱くなってきます。そのまま気持ちを楽にして〜。吸って〜吐いて〜」

心神耗弱と言うのでしょうか。
頭がぼんやりして命令通りに身体を動かしてしまうのです。
当時の気持ちを思い出せば、この声にすがらなければ助からな気さえしていました。
恐ろしいことに本当に腰の奥が熱くなりました。
そして熱につられて、何某の腰はゆっくりと布団の中で揺れ始めたのです。
このときです。
女性の背後で聞き覚えのあるカチッという音が聞こえました。このとき何某は気づきました。
動画の導入部の無機質な音。あれこそが脳に快感を与えるスイッチだったのだと。

恐怖しかありませんでした。あの音を聞くだけで意志とは無関係に腰はカクカクと動き始めるのです。
「お尻に力を入れ続けて……そのままずっと……ずっと……」
言われたとおりに双つの臀部をピッタリとくっつけます。自分でも信じられないほどの力が込められ、離そうと思っても離れないのです。
すると徐々に腰の動きが速まってきました。
布団の中でいい大人が高速で腰を振っているのです。
このときばかりは実家で試さなくてよかったと安堵しました。
しかしおかしな感覚が止まりません。背中や尻はベッドに付いているのに、どこまでも沈んでいきそうな感覚でした。
(やだ。壊れちゃう)
まるでエロ同人誌の女主人公のようなセリフを口走っていました。
しかしもう腰は止まりません。
何度も熱い波が引いては返して、いよいよ腰をうんと前につんのめらせました。
身体の芯が張り詰めて、糸をピンと張ったような感じでした。
その限界値を越えた途端に、緊張から開放された腰はおぞましいスピードで揺れました。
あぁ。これが女性の絶頂か。と何某は新しい扉を開いた気がしました。
今まで経験したオナニーとは全く異なる快感でした。
ゆっくりと上り詰めていくような絶頂。絶頂の後にふわふわ漂う快感の余韻。
身を持って女性の絶頂の感を知れた何某は音声の女性に感謝したのでした。

しかし悲劇はここからでした。
催眠オナニーの動画には必ず催眠を解除する音声が含まれています。
アニメ声の女性との別れを惜しみながら、私は再びリラックスします。
「今からあなたの催眠が解けます……身体が楽になる……呼吸をゆっくりして。5、4、3……」
0のカウントと同時にパシューン、と心地よい電子音が響きました。
(いい経験をした)
何某は心地よい浮遊感に包まれながら毛布に包まりました。
しかし毛布の中で身体の異変を感じます。

腰が勝手に動き出すのです。
当然イヤホンは外しています。解除音声を聞きました。
それでも腰がひとりでにガクガク揺れるのです。
さらにあろうことかさっきの張り詰めるような緊張と収縮を尻の奥が繰り返し
悍ましい絶頂が繰り返されるのです。

背筋の凍る思いでした。
取り返しのつかないことをした。
何某は泣きそうな顔で解除パートを何度も再生しました。
パシューン、パシューン、パ、パ、パ、パ、パシューン
しかし電子音は虚しくこだまするだけです。何度聴いても絶頂は止みませんでした。

何某は股間を枕で強く押さえながらgoogleで検索します。
すると恐ろしい予測検索が出てきました。
「催眠オナニー 解除できない」「催眠オナニー 日常 戻れない」「催眠オナニー 最悪死ぬ」
何某の指先は冷え切っていました。
催眠オナニーがきっかけで社会復帰できなくなった人の話。
中毒性が高すぎて常に催眠音声を聴かずにいられなくなった人の話。
目を覆いたくなるような実体験がずらりと並んでいました。

何某が差し出した代償はあまりに大き過ぎました。
寝ようとしても腰が勝手に動くので寝付けるはずもありません。
頼みの綱で「一晩寝たら治る」という記事を信じてなんとか眠りにつきました。

翌朝。悪夢が覚めることはありませんでした。
一晩寝たから大丈夫。そう自己暗示をかけてベッドから起き上がりました。
それと同時にあの憎々しい腰の疼きが始まりました。
何某は絶望的な顔を浮かべながらベッドの縁に手をついて絶頂しました。

今日はクリスマスイブ。その晩は女性との逢瀬の約束がありました。
なんとしても夜までには完治させたい。
気分転換にスターバックスへ繰り出しました。しかし行動の全てが裏目に出ます。
席についてコーヒーを飲んでいると、隣の中年男性がパソコンで仕事をしていました。
するとまたもや腰がざわめきます。テーブルに突っ伏して前のめりになります。
そのとき何某は気づきました。キーボードを叩く音だ。
あの忌々しいカチッという無機質な音がいけないんだ。
しかし気づいたところで事態は好転しません。
何某は熱々のコーヒーを溢す恐怖に怯えながら絶頂しました。
こうなっては安らげる場所はありません。
隣で勉学に勤しむ大学生がボールペンの芯を出す音を聞いても絶頂。
泣く泣くタクシーで帰っても、左折するウインカーの音を聞いても絶頂。
企画物のAV女優のような気持ちでした。
『絶対イキたくない何某 vs 絶対イカせたい町民100人』みたいな。

何某は重たい腰を引きずりながら家路につきました。
これからの人生が真っ暗になった気分でした。
何某は泣く泣くスマホを取り出して逢瀬の相手に電話をします。
「ごめん。今日行けなくなった……」
重たい口調で話すと女性はどうしてと尋ねてきました。有り体に話すしかありませんでした。
しかし女性の反応は意外でした。
「それならしょうがないなあ……まぁ、家でまったりすればいいんじゃない?」
 明るい口調で言いながら女性は本当に私の家へ来てくれました。
そしてあろうことか
「手コキで全部出したら治るんちゃう?」
と無茶な提案をしてくれました。
仕事は看護師というのが聞いて呆れます。
その夜は激しいハンドジョブを何度も繰り返され何某は全部出し切るまで果てました。

すると翌朝のことです。
「どう、治った?」
女性は何某の愚息に優しく触れました。何も起きません。何某の腰は平静を保ってベッドに横たわっていました。
何某は目の前のナイチンゲールに心から敬意と愛情を持ってハグしました。
(この女性とならうまくやっていけるかもしれない)
悪夢のような催眠オナニー。
それは素敵な女性と出会わせてくれたサンタからのギフトだったのかもしれません。




あと、先日発売になりました。
伏見京 世話好きはんなり熟女
熟女って何歳からを言うんでしょうかね。
お爺さんになっても、四十路の女性を見て熟女という感覚になるのか。聞いてみたいものです。

世話好きはんなり熟女

https://www.amazon.co.jp/gp/product/4829644958?pf_rd_r=YMPG2BGRAS02S8S56M0A&pf_rd_p=3d55ec74-6376-483a-a5a7-4e247166f80b



催眠オナニー 【前編】
官能小説デビューが決まってからというもの
「官公庁案件」や「官民合同」というメールが仕事中に届くと過剰に反応します。
こんばんは、ローレライ何某です。

突然ですが皆さんは催眠術を信じているでしょうか。
何某は小さい頃から催眠術に憧れていました。
バラエティ番組で催眠術をかけられた女優(ストリッパーになるという暗示をかけられた)が脱ごうとするシーンに胸を踊らせました。
何某にもこんな力があれば。
本気で願いましたがそんな能力があるはずもなく、次第に催眠術へ懐疑的になりました。

催眠術なんて嘘っぱち。
それが何某の考えでした。
一昨年のクリスマスイブまでは。

それは一昨年の12月23日のことでした。
その夜はどうも寝付けず、スマホでyoutubeの動画を漁っていました。
そんなとき何某の目に飛び込んできたのは「ASMR」の動画でした。

ASMR(英: Autonomous Sensory Meridian Response):人が聴覚や視覚への刺激によって感じる、心地良い、脳がゾワゾワするといった反応・感覚。

謂わば、特殊な方法で録音をされた動画で、イヤホンを装着して聴くと耳元で実際に囁かれているような錯覚に陥る動画です。

動画は充実していました。
お米を研いでる音。耳かきをされている音。どれも耳心地の良い動画でした。
世間では色んな娯楽が生まれているのだと感心しました。
しかし愚かな何某は考えたのです。
エッチなお姉さんが囁いてくれる動画はないのか、と。
そんな動画を求めていくうちに辿り着いたのは「催眠オナニー」という動画でした。

正直、鼻で笑いました。
なんと音声を聴くだけで催眠にかかってドライオーガズム(所謂、女性がイクのと似た絶頂)を味わえるというのです。
百戦錬磨のオナニストの何某からすれば
愚息に触れずにイクことなどできるものか。片腹痛いわ。カ〜カカカ。
と、アシュラマンのような笑い声をあげました。

再生ボタンを押しても辟易としました。
いかにもなアニメ声の女性がほわほわした声で囁いてくるのです。
この動画は自動車運転や危険を伴う作業をする前は視聴をお控えください。
この音声データを聴くことにより被ったいかなる不都合に関して製作者は一切責任を持ちません。
などなど優しい口調とは裏腹に、超現実的なことをくどくど説いてきました。

子守唄代わりにはなるだろう。そんな軽い気持ちで小馬鹿にしながら聴いていました。
しかし再生すること10分ほど。
何某は見事なまでに催眠にかかりました。それはもう綺麗なガン決まりでした。
身体が思うように動かず全身から汗がどっと吹き出るのです。正直、快感を感じる余裕なんてありません。自分の身体はどうなってしまったんだという恐怖の一点のみが全身を支配しました。

最初は可愛いものでした。
アニメ声の女性が「息を吸って〜、吐いて〜」と一生懸命指示してくれるので
何某も「しょ〜がないな〜」と思いながら、馬鹿正直に胸を上下させました。
女性は尚も優しい口調で囁いてきます。
「小さい積み木を想像してください。それを積み上げます。たか〜く。たか〜く」
何某は「もう〜、世話が焼けるな〜」なんて考えながら、イメージを膨らませます。
すると女性は心細そうな声で語りかけます。
「あっ。グラグラ揺れてきた……落とさないように気をつけて……」
何某は「大丈夫、大丈夫。こう見えておれけっこう器用なんだよ」としっかり女性のペースに乗せられていました。
今思えば、これが催眠に入るための導入だったのでしょう。
リラックスした状態で音声の命令通りに脳を動かすことを反復させる。
その積み重ねによって脳ひいては身体が反応するサイクルを作っていたと考えられます。
やはり女性はゆっくりと囁きます。
「高く積んだ積み木が大きく左右に揺れます。左に大きく揺れて……右に大きく揺れて……一緒にあなたの意識も揺れていきます。揺れて……揺れて……」
気づけば女性の声の虜になっていました。
言われるがまま頭の中で高く積まれたブロックを揺らします。
幾分の間を空けて、女性は少し大きな声で語りかけました。
「あっ。落ちちゃった」
そのとき小さなカチッと無機質な音がしました。同時に何某の頭の中で積み木が崩れました。
すると女性はくすっと笑いながら言います。
「これで準備は完了です。あなたは催眠状態に入りました。頭はぼうっとして、わたしの言うとおりに身体は動きません」
するとどうでしょう。本当に頭がぼうっとして、自発的に何かを考える気持ち削がれるようでした。

しばらく無音が続きました。
正確に言えば聴力検査のときにヘッドホンから流れるような信号音が流れていました。
録音環境の雑音か?
と考えたのですが、時折音程が変わるのでなんとも不気味です。
身体に起こりつつある変化に恐怖しながら、
引き返すなら今じゃないか。そんな考えが浮かびました。
しかし何某は続ける選択をしました。
自分の身体がどうなってしまうのか体験したい。
そして官能小説を書こうとする身として、女性が絶頂するような感覚(ドライオーガズムのこと)は経験しておきたい。

何某は絶叫マシンがゆっくりとレールを上がっていくような恐怖を感じながら、布団のなかで女性の声を待ちました。

to be continued……



あとこちらは宣伝です。
2/25に伏見京の名義でデビュー作が発売となります。
作品名は「世話好きはんなり熟女」です。

世話好きはんなり熟女

表紙も執筆中のイメージにぴったりで感動しております。
よろしければお買い求めください。

https://www.amazon.co.jp/gp/product/4829644958?pf_rd_r=YMPG2BGRAS02S8S56M0A&pf_rd_p=3d55ec74-6376-483a-a5a7-4e247166f80b


官能小説オナニー
クリイキ3年、ナカ8年。
【読み】くりいきさんねんなかはちねん
【意味】女性は3年くらいあればクリトリスでイケるようになるけど、ナカでイクのは結構年月かかるよというたとえ。
【例文】クリイキ3年ナカ8年というが、毎回イッた演技をするこっちの身にもなって欲しい(丸の内OL・28歳)

あ、まちがえた。
桃栗三年柿八年だ。

お久しぶりです。ローレライ何某です。
ブログの更新がない。あいつの才能は枯れた。ついでに性欲も枯れた。激しいオナニーの後遺症で幕之内一歩のようにオナニードランカーになった。
方方でそんな噂が流れていますが、すべて事実無根です。
最近はDHCの亜鉛サプリの摂取量と、射精時に必要なティッシュペーパーの相関係数の分析など新たな研究に没頭しています。
いえ、それはさすがに嘘です。

さて、この空白の3年で何をしていたのかと申しますと、
はい。小説の執筆に没頭していました。
もちろん何某には純文学のような高尚な文章を書く才能もなければ、
銀行内部の不正を暴くエンタメ企業小説を書けるはずもありません。
そんな私が、唯一書けるとしたら……
行き着いたのはひとつ。
『官 能 小 説』
でした。

誰にも読まれることなく、ひとり黙々と
ある意味、人生最大のオナニーをぶっこいておりました。
3年間で計3作品ほど書き上げたのですが、
せっかく書いたらなら出版社にでも送ってみるか。
そんな気持ちからフランス書院様に今年の5月に応募をしておりました。

ところが、去る10月。わたしの携帯に信じられない連絡が入りました。
『わたくしフランス書院の○○ですが…』
『あ、はい…』
『この度○○さんの応募された第25回フランス書院文庫官能大賞、タイトル『乱れたいねん』(プッ、とここで吹き出される)ですが、みごと新人賞を受賞しました』
『えぁ…、ぇぇあぁはい!?』
『詳細は後ほどホームページで発表させていただきますので、よろしくお願いします。まずはお祝いのご連絡でした。このたびはおめでどうございます』
と丁重に報告を受けて電話は切られました。
このとき、何某はなぜか猛烈に尿意を催してコンビニに駆け込みました。これが世にいううれションか。いや、それは犬だけか。

数日後、ホームページに結果発表が掲載されていました。
https://www.france.jp/blog/?m=202010
あらららら…。本当に受賞してるじゃありませんか……。
講評いただき本当にありがたいのですが、『大きな乳房』とハッキリ書かれると、自分の性癖を客観的に見ている気持ちになり非常に恥ずかしい。
京都弁なので、もちろん内容は
「あかん……、それ以上は触れんとって……」
「あぁ…。もっと激しくしてええで……」
そんな文章が散りばめられています。どの面下げて書いてんだ。と問いたいものです。

そんなこんなで大変ありがたいことに賞をいただき、
近いうちフランス書院様より新人賞作品を出版いただけることとなりました。
本当に感無量です。ありがとうございます。
詳細が出ましたらまたブログでもご案内できればと思っております。

これを機会にまたブログもたまに更新できればと思います。
なにせこの3年間でで新しいオナニカルメソッドが貯まること貯まること。
ワンピースで言えば2年間バラバラで修行した麦わらの一味みたいなものです。ヌキヌキの実の能力者です。

小説もオナニーも来年は「かく」一年にしたいものです。
ダブルスオナニー【後篇】
〈前回のあらすじ〉
 女子のアンダースコートを見たいがためにテニスを始めた小学生の何某。しかし中学受験の失敗から男子校に入学することになる。腐った何某は日々テニス雑誌の女子ユニフォームのスクラップに勤しむが、そんなある日シャラポワを敬愛する胸ポチフェチの友人と出会う。ここに中学テニス会に旋風を巻き起こす最狂ダブルスペアが誕生したのだった。

 戦友との出会いから早1年。何某と戦友は同じ夢を見ていました。「レギュラーに選抜されれば、他校の試合で女子テニスの試合を拝める」何某たちは日夜特訓に励みました。基礎体力に劣る何某たちは普通のテニスで勝てないと分かっていました。だから性欲を武器に変えたのです。激しい動きから繰り出されるパンチラも見逃さない動体視力、スポーツブラの上からでも勃チクを捉える集中力、これらは何某たちのプレーを好転させました。気づけば部内でも「パンチラの何某」、「勃チクの橋田」は一目置かれる存在となったのです。そんな二人の活躍が監督の目に止まり、何某たちは2年目の夏に団体戦のレギュラーに選抜されました。試合会場は同市内の公立中学校、練習設備も充実したテニスの盛んな学校で、もちろん女子テニス部も活動中。何某たちはハイタッチを交わし固い拳を突き合わせました。そこにはかつての腐った二人はいませんでした

ー試合当日ー
 さすがテニスの強豪校、運動場には8面のコートが用意されていました。その日は男女ともに団体試合が行われて、運動場を縦に割るように4面ずつに分かれていました。小気味良い打球音と威勢の良いかけ声が会場に飛び交っています。
 急に試合の実感が湧いてきました。チームを担う責任、周囲の目、最悪の事態、ネガティブな感情が巻き起こりコートに立つことが急に恐くなりました。そんな何某のコンディションを察したのは、同じ汗を流した戦友でした。「緊張するときはさ、掌にこうやって三回字を書いて飲み込むんだよ」笑顔の戦友に、「こんな時に古臭い文句を垂れるなよ」と思いながら、戦友が掌に書く文字を覗くと「女」でした。戦友を小突きながらも、緊張の解れた何某はいいペアを持ったなと気恥ずかしく思いました。
 しかし当の試合は熾烈を極めました。団体戦の初戦を飾るのは何某ペア。相手は会場でもある強豪校で、焼けた素肌と筋張った前腕は彼らの練習量を物語っていました。そして迎えたファイナルゲーム、残り1ポイントで相手の勝利が決まる窮地に立たされました。周囲の部員からはあのヘタレ部員二人がよくここまで戦ったと諦めムードが漂っています。しかし前衛に立つ戦友の目は死んでいませんでした。「なんでお前はそこまで喰らいつけるんだよ」自分の弱さを恥じる何某は戦友を見つめました。すると目線の先にあったのは相手チームのその先、女子コートのサービスラインでした。女子がサーブを振りかぶる度に顕になるアンダースコート。「ほら、これがお前に見せたかった景色だ」顎をくいっと上げ微笑む戦友、眼前に広がる光景に何某はまだコートを退場できない理由を見つけました。
 結果、何某たちは負けました。しかしあの1ポイントからデュースまで追い上げた試合は会場を大いに沸かせました。帰路につく二人、夕日に伸びた影を引きずり沈黙が流れます。二人に流れる空気が挫折や後悔といった類ではないことは、お互い察していました。それはある種の燃え尽き症候群に近いものでした。生のパンチラとボッチクを拝んだ二人にとって今日が引退試合、目標を失った二人は途方に暮れていたのです。「おれ、テニスは今日でやめるわ」沈黙を破ったのは戦友でした。「お前がやめるなら、止めはしないよ」虚ろな表情で何某は答えました。しかし戦友は「バカ、お前も一緒にやめるんだよ。ちょっとついて来い」と何某の手を引っ張りました。そして向かった先、そこは夕日でオレンジに染まった市民プールでした。「なんだよ、こんな時間に泳げるわけないだろ」呆れ気味の何某でしたが、戦友の微笑む横顔を見てすべてを悟りました。「水泳部に入ったら男女混合で練習できる…」戦友との出会いは運命だったのでしょう。「次は、「食い込みの何某」とでも名乗れよ」「じゃあお前は「シリコンブラの橋田」だな」二人にとってテニスラケットは文字通り無用の長物でした。テニスバッグを捨て、市民プールのフェンスをよじ登る二人の勢いは誰も止められませんでした。
ただし何某たちの学校が中高一貫だった為、結局高校も男子校だったことを思い出すのはまたこの後の話。


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